国連事務局内の意思決定(ポスト削減の例)

2023年10月

 

PKOミッションが続々と終了していき(UNAMID, MINUSMAなど)、それに伴いPKO全体予算も大幅に減少。

それに応じてUNHQのバックストッピングポスト、通称サポートアカウントのポストも削減すべきとの圧力が加盟国側から強くなった。

 

DMSPC内で議論し、この圧力を回避する方策を練り、事務総長に相談したところ、フィールド予算が削減されているのに本部だけポストを維持すべきではない、即時・大量のポストを削減すべしとの強い指示が出た。

 

この指示を受けてDMSPC内で議論し、少なくとも次年度予算ではMINUSMAに直接関連する38ポストを削減(それでもPKO予算全体の削減率には遠く及ばない)、複数年かけてPKO予算全体の削減率に合わせるべく200以上のポスト削減というプランでいくことで合意。

 

このプランを他の部局(DPO,DOS)のUSGに相談したところ強い反発があり、DMSPCのUSGは即座にプランを変更。小規模削減(10ポスト未満)だけで対応する方針に。

 

感想

事務局内の意思決定プロセスに強い違和感。トップの強い指示に対してUSG達が抵抗する姿勢(忠誠心の問題)。ポストというマネジメントの話なのに、マネジメント担当USGに権限がない(SG指示が出る前に自ら大きくカットしようとせず、SG指示が出ても他のUSGに達の抵抗であっさりと方針を変える)。また、局をまたぐ重要案件においてUSG間で意見が割れているのであれば、SGの下で一緒に議論して決定すればよいものを、各USGが個別にSGにアプローチしようとする。さらに言えば、そもそも局の間に協力関係が薄く、自らの局を守ることだけに執心する(Sectarism)。